デジタル化・AI導入補助金、第7次公募から賃上げ要件を追加

中小企業のITツール導入を支援する「デジタル化・AI導入補助金2026」(IT導入補助金の後継)で、第7次公募から制度が変わります。事務局は10月9日、令和8年度の地域別最低賃金の改定に合わせた補助率引き上げの要件の変更や、1人当たり給与支給総額の向上に関する申請要件の追加を発表し、第7回公募以降の公募要領を公開しました。この記事では、変更の内容と、Web制作やIT導入を検討している事業者が申請前に確かめたい点を整理します。

ニュースの概要

デジタル化・AI導入補助金2026の事務局は2026年10月9日、「第7次公募回以降における制度変更のお知らせ」を公表しました。あわせて、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠の、第7次公募以降の公募要領と交付規程が公開されています。

この補助金は、中小企業や小規模事業者が、業務の効率化や生産性向上のためのソフトウェアやクラウドサービスなど(ITツール)を導入する費用の一部を補助するものです。申請は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」と一緒に行う仕組みです。

デジタル化・AI導入補助金の第7次公募で何が変わるのか

お知らせで示された3つの変更

第7次公募以降の公募要領(通常枠)のポイント

要件は申請額や過去の利用状況、申請する枠によって細かく分かれています。上記は通常枠の公募要領の一部で、すべての条件を網羅したものではありません。

Web制作・IT導入を検討している事業者への影響

影響が大きいのは、補助率の引き上げを見込んで申請を考えていた事業者です。補助率の引き上げの要件は、令和8年度に改定された地域別最低賃金を基準に見直されました。自社の従業員の賃金が条件に当てはまるかは、改めて確かめる必要があります。

また、給与支給総額の向上は、申請の時点で計画を立てて従業員に表明し、その後も実行していくことが求められる要件です。事業計画の終了時点で要件を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められることがあると公募要領に定められています。補助金の額だけで判断せず、自社の賃金の計画と合わせて検討することが欠かせません。

なお、この補助金の対象は、事務局に登録されたITツールです。補助の対象はソフトウェア・オプション・役務の3つで、役務はソフトウェアと一緒に導入する場合に限られるため、ホームページの制作作業だけでは対象になりにくいと考えられます。具体的な扱いは、公募要領とIT導入支援事業者に確認が必要です。ホームページ制作の費用の考え方は、ホームページ制作の費用相場でまとめています。

確認すること

筆者の見解

私見では、今回の変更で申請前に最初に確かめるべきは、補助額の大小ではなく、「過去にIT導入補助金の交付決定を受けたか」と「申請額が150万円以上か」の2点だと考えます。初めて申請する事業者が150万円未満に収めれば、給与支給総額の向上は加点項目にとどまる一方、150万円以上を申請する場合や過去の利用者は、達成できなければ返還を求められうる3年間の約束になります。補助額を増やすか、返還のリスクを避けるかは、事業者が自分で選べるトレードオフです。また、補助率2/3の判定は令和7年10月〜令和8年9月の実際の賃金で決まるため、これから賃金を見直しても判定は変わらない点は見落としやすいところです。

出典(一次情報)

2026年10月15日時点の情報です。

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